スイカバーの緑のところ
アイスを早く食べるのが苦手だ。
キンキンに冷たいものをばくばく食べられる人はすごい。
得意不得意とは別の話で、「早く食べたくない」自分もいる。料理もお菓子もアイスも、食べたらなくなるのは同じなのに、アイスに対してだけ特に名残惜しさを感じる。じっくり食べたい。
時間をかけて食べた料理はもちろん冷めてしまうけれど、そもそも美味しく食べられる時間も長いからあまり気になったことはない。
一方でアイスは、常に「溶け」に追いかけられている。ビチャビチャの液体に戻ってしまったものはもうアイスとは呼べなくて、「冷めた料理」どころか「もういろいろ終わっちまったもの」になる。
スイカバーの1番下の緑のところ(いわゆる皮の部分)が好きだ。実際のところ赤の部分と大して味の違いなどないんだろうが、なんか緑のところの方が好きだ。ここを1番味わいたい。
でも、どうしてもいつもここに辿り着く頃には今にも滴り落ちそうな状態になっていて、私はこれを垂らさないようにばくばく食べるしかない。悔しい。ここを味わいたい。悔しい。
かと言って、下側から食べるのはなんだかとても無作法に感じるし、何より普通に食べづらい。
かつてメロンパンの耳とかいう商品が流行ったように、スイカバーの皮みたいなのがあればいいのにな‥。
それもなんか違うか‥。